スキマダイアリ

インドネシアでさまようリーマン

冬の並木道


「おー、ひさしぶり。バイト帰り?」
「そうだよ、しかしもう随分冷え込むな」
「12月に入ってからだいぶ寒くなってたな」
「そうだな、女の子の露出もめっきり減って寂しいところだ」
「ホントにお前は露出が好きだな」
「誤解を招くような言い方は止めてくれないか」
「露出の何が悪い!」
「そこにキレるんだ」
「まあでも冬はファッションに幅が出ていいよな」
「いきなり落ち着いたな。確かに重ね着とか出来るし。あとコートとかね」
「あの裏地が擦れる感じがいいよね」
「それ素肌に羽織ってない?」
「マフラーも結構アクセントになるな」
「とことんシカトだ。ロングマフラーも流行ったなぁ」
「そうそう、長めに巻いてギリギリ隠せる感じがいいよね」
「いや何を」
「小物でいったら、靴下なんかも絶対こだわりたいな」
「暖かさも実用的だしね。でも目の行かないところだし、必須ではなくない?」
「バッカ、服を着ずに外出することがあっても靴下を履かずに靴を履くことはないだろ。」
「え」
「はぁ・・・みんなに見られたい」
「いやちょっと待って」
「あ、誤解するな。魅了することを、魅せるって言うだろ?」
「ああ、その魅せる」
「みんなを俺の裸体で魅せたい」
「おい」
「なんだよ」
「さっきから思ってたんだけどお前ってひょっとして露出狂?」
「ふざけんなよ!」
「いや、ごめん。ちょっと思っただけだよ」
「次は俺がこのジャケットの下に何も着てないとでも言い出すつもりか!?」
「いやちゃんとシャツ着てるし、そんなことないよな。ごめんごめん」
「まったく…久しぶりにいきり立っちまったよ」
「悪いな」
「ジーンズに擦れて痛えよ」
「やっぱ露出狂じゃねえか」