「ホームメイド」の幅広さ
手作りと言えば、小学生のころ、ちょっとシャレオツな友達のうちに遊びに行くと「マドレーヌ焼いたんだけど・・・」と友人のお母さんが出してきてくれたり、寮で「ちょっと作りすぎちゃったから・・・」と料理を差し入れてもらったり(韓国人、男、肉野菜炒め)、ちょっとストーカー気質の女の子に手作りのバレンタインチョコをもらって、怖いのでそのまま妹に渡したり・・・と暖かい思い出も多い。
インドネシアでもそれは共通で、コミュニティの中でクッキーやケーキを作って配る人も多いようである。うちの会社でも、先日「食べる?」と山盛りのミートソーススパゲッティを5リットルくらいあるタッパーに詰めてきたヒゲ部長がいた。おすそ分け精神に加えて、副業として販売していることもある。
最近だと、コロナ関連で「布製マスク」を手製することも多いようである。シンプルな白マスクから、インドネシアらしいバティック柄まで。2020年5月現在では、25,000ルピア(180円ほど)で5枚セット程度の価格帯でよく見かけた。
そんな中、とうとう「コレ、いるか?」と職場でポンと渡された小ぶりのボトル。「ハンドサニタイザー」「消毒用アルコール」であった。恐らくドカッと買ったものをボトルに自宅で分け分けするホームメイドだと思われる。いったいどのルートで買ったものなのか、成分は、小分けにする工程は清潔なのか、そもそも危険物を個人で売買していいのか・・・そういった懸念を表面に出す人間は、インドネシアで生きていけないのである。
今でこそ少し落ち着いたが、インドネシアでも消毒用アルコールの価格は上がっていた。それを分けてくれる気持ちが嬉しいですね。この会社の友人はスプレー容器まで用意をしてくれた。
ぼく「ありがとう!貴重なものなのに、申し訳ないな」
友人「気にしなくていいよ、これは本物のアルコールだから安心して使ってね」
ぼく「ありがとう。アルコールなら、酔っ払えちゃうね 笑」
友人「お前、ブタになるぞ」
えっ
よく確認したら「BUTA(盲目)」のことであった。びっくりした・・・。メチルアルコールを飲用すると失明することがあるというが、その認識は世界共通のようである。