スキマダイアリ

インドネシアでさまようリーマン

同時多発読書

林望センセが「本を何冊も同時進行で読むこと」が大事であると『知的な大人へのヒント』の中で言っていた。以前にもそういう読み方がある、ということは耳にしていたがこれをきっかけに試してみた。やったのは次の五冊。

ルーツ 1 (現代教養文庫 971)

ルーツ 1 (現代教養文庫 971)

頭のうちどころが悪かった熊の話

頭のうちどころが悪かった熊の話

コレラの時代の愛

コレラの時代の愛

ドラッカー わが軌跡

ドラッカー わが軌跡

ミッドナイト・エクスプレス (沢木耕太郎ノンフィクション8)

ミッドナイト・エクスプレス (沢木耕太郎ノンフィクション8)

 やり方は、まず最初の本を10〜20ページを読み、次の本に移る。これを五冊全部で行い読破する。それぞれページ数も違うし、読む量も厳密にカウントはしていない。ジャンルもあえてバラバラにしてみた。
 やる前は相当混乱するだろうと思っていたが、実際はそんなことはなかった。いつも大作を一気に読み終わると、首の後ろに鈍い痛みが残ったりするものだが、それもなかった。それぞれの本の感動が薄まった実感もない。相当に楽しめた。人間一つの文章にとことんのめり込めない(と思う)。せいぜい一回に20分かそこらのものだ。で、そこで他の本に移ることで気分がリフレッシュされたのかな。間延びする箇所も飽きずに見られた。もちろん「良い箇所で他の本に!」という場面も何度かあった。確かにこれはちょっと興がそらされる感があったが、待ち遠しさをもり立てる役割にもなった。
 読みやすい絵本と、区切りのいいビジネス書やエッセーを組み込んだのは正解だったな。逆に小説だけだったら、断念していたかも。登場人物や設定が多すぎると鳥頭にはツライ。
 で、意義はあるのかと言われれば、あると思う。まず、量が消化できる。買ったり借りたままで積ん読になってる本でも、これでローテに組み込めば強制的に読める。次に苦手な本でも取り組めること。いろんな本を入れた方が頭の切り替えがしやすく、普段苦手なジャンルも比較的読みやすく感じる。今回で言えばビジネス書が正直苦手だけど、小説や童話と挟むことで気分が「ノッたまま」ビジネス書に取りかかれる。他の本でスピードが出せるので、苦手故の(全然進まない・・)という葛藤もあまり感じない。一回あたりの量も少ないし。
 ただコレは持ち運びには適していないなー。文庫本三冊くらいならいいけど・・。あと好きな(読みやすい)ものがないと、自分ではツライ。あと泣き系だと一度流れを切られると、全然泣けなくてカタルシスを得にくい・・。生活でやるなら、全部文庫本で、エッセー、新書、ビジネス書(雑誌)、小説、かなあ。教科書とかでも悪くなさそうだと思った。まー一度はやってみることをオススメ。したい。