スキマダイアリ

インドネシアでさまようリーマン

ゴキブリが あらわれた !

 夜、部屋で簿記のテクストを机に広げながら優雅にネットサーフィンを楽しんでいた。勉強はしていない。そしたらゴキブリが現れた。唐突に。まあそもそも奴らは唐突に現れるものだ。「ハーイ、ドーモ、ゴキブリデス」と言いながら出てくる奴は見たことがない。唐突に出るから、恍惚の表情で訥々と独り言をつぶやきながらネットサーフィンしていた朴訥なおれは驚いて、甲骨をこう・・コツッと落とした。最後は嘘です。唐突に出ると驚くから、ウチの妹なんかは部屋に入る前は必ずノックする。分かってる奴だ。でもゴキブリは分かってないから唐突に出る。
 驚くおれ。鈍く光るゴキブリ。殺虫剤を探すおれ。鈍く光り続けるゴキブリ。殺虫剤がないので、本棚に並んでいたギャッツビーのアクアムスク(\945)を振りかざすおれ。異変を感じたのかより鈍く光るゴキブリ。そこにアクアムスクをかける!かける!かける!正直動揺した末の「ゴキブリに香水ぶっかけ」という新ジャンルの開拓だったわけだが、意外なほどに効いた。カメラの前で秘所を散々責め立てられ、屈強な男達に次々とぶっかけられたゴキ美は敢えなくひっくり返って開脚のまま悶絶した。ムスクの薫りがぬばたまの闇を裂いた。やがて宴幕は降り全ては月影に燃えるがなべて世はこともなし。
 殺虫剤を使い続けると、その種の抵抗性が発達し、やがては効かなくなると言う。我が家のはらから達もやがてムスクに強くなっていくのだろうか。そんなことを考えた夜。部屋が香水くせえ。