昔の彼女との体験談

萌えた体験談 <京都の同級生とその彼氏達、およびその友達と俺1>(R18)
その5まで続く大作(いろんな意味で)で要はエロい体験談なんだけど、おすすめ。京都、新社会人、不器用・・自分とかぶる部分が多くて、匂いや情景が伝わってくるような体験談だった。



以下感想(ネタバレあり)↓






 出てくるのが唐竹を割ったようなさっぱりしたというかあっけらかんとした登場人物が多い。主人公も不器用ながらも素直で、読んでいてかなり感情移入して「ああ、そうするよなあ・・」「それがベストだろう」といちいち主人公の行動に同意してしまっていた。ハメは外しているところはあったけど、自分の考えとしては全編を通じて相手にちゃんと想いを持って応えている・・ように思う。

 それでも最後は駄目だったんだなあ。あれだけ好きだった相手でも、むしろ燃えるような熱情を持っていたからこそ、少しの齟齬や不安で以前とのギャップを感じてしまう。二人が、多くの障害を乗り越えて相思相愛の燃えるような恋をする・・。よくあるけど、いい話じゃん。しかし結局は彼女の友人の危惧していた通りに、住む世界の違いが別れのきっかけになった。
 ミョーに共感を覚えた部分で、主人公が、自分の知らない友人と自分が見たこともない笑顔で話している彼女を見て強烈な疎外感を覚えるシーンがあった。自分の知らない彼女・・・そりゃまあ当然あるよね。歪んだ支配欲だと言われればそうかもしれないし、一人の人間の全てを知ることなんてできやしないが・・。これは誰が悪いんだ。何かが間違っていたのかな。彼女が悪いのか?「結局分かり合えない」と感じてしまったのは主人公だけではないだろう。この醒めていく、気持ちのすれ違いを感じる過程が自分とあまりに似ていて、それがこの話に惹かれた理由なのかもしれないなー。


俺はナルミさんとのこと、中学のこと、最低だった焼肉のこと、この前のコンパのことまで話した。フレーズごとの俺の最後の台詞は、だからね、ナルミさんとは結局分かり合えないような気がするんですよ、というものだった。

「アホかボケ。始めから会う奴がいるか。それだけ好き勝手しといてあれか?中学の時世界が違ったから無理だ?話が盛り上がらないから無理だ?読んでる本が違う?お前はクズか。成長したと思ってた俺が間違ってた。」


 すっかり目が据わった先輩は、誰もいなくなった店で大声で俺を叱り飛ばした。


「わかってます。でも、、例えばクルス・・さんとかと話すときは楽しいんですよ。俺は俺のままでいられるような気がするんですよ。でもナルミさんとはそうじゃないんです」
 先輩は俺の頭をはたき、さんはいらんクルスでいい、といい、

「ナルミさんが日本人やなあいとか、お母さんがあの会員だとか、ヤンキーだったとか」

「ヤンキーじゃないとは思いますが」


「うるさいだまれ。とにかくお前の言ってることはよく分からん。いやお前が考えてることはわかる、でもな、お前一人の世界で完結してるわけじゃないんだよ、この世界は」


 いきなり哲学的なことを先輩は言い出した。


「アクションがあればリアクションがあるんだ。一人だろうが二人だろうが同じだ。お前のその、よくわからない拘りを捨てんと誰ともどうにもならんぞ」
 酔った頭には難しすぎた。でも先輩のいっていることは何となく理解できた。


とにかく、と先輩は言った。頑張れ、と。俺の頭をまたはたいた。